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2020年東京オリンピック・パラリンピック大会の準備が着々と進んできますと、開催の実感が強く湧いてきますね。そして、世界一流のアスリート達の健闘を生で観戦したいという気持ちも高まります。しかし、そこで現実的な問題として考えなくてはならないのは、チケットの値段です。

チケットの発売は2019の春予定

公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会は2018年4月にチケット販売に関するスケジュールを発表しました。その後、「チケッティング戦略に関する有識者会議」の検討をへて、7月に国際オリンピック委員会(IOC)からチケット価格等の承認を得、2019年の春から一般販売を開始する予定となりました。

過去のチケット価格

 2020年東京オリンピック・パラリンピックのチケット価格を予想するのには、まずは最近開催された五輪の例を見る必要があります。

直近の2016年リオデジャネイロ・オリンピックにおける最高チケット額は開会式の約161,000円(4,600レアル)で、最低額がホッケー、サッカーとレスリングの予選などの約1,400円(40レアル)でした(換算レートを1レアル=35円として)。

その前の2012年ロンドン五輪の最高販売額は、やはり開会式のチケットで約295,764円(2012ポンド)でした。また、最低額は陸上、バスケットボール、バドミントンの予選などで、約2,940円(20ポンド)でした(1ポンド=147円として)。

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2020東京大会のチケットの平均価格の予想

東京は大会の開催地として立候補したとき、チケットの販売計画を提示しています。オリンピック分として780万枚で773億円、パラリンピック分として230万枚で47億円とそれぞれの売り上げ目標を発表しています。単純に、売上目標の金額を枚数で割りますと、オリンピックの切符の平均は9,910円で、パラリンピックは2,043円になります。また、両大会を合わせた加重平均は8,119円ということになります。

国際オリンピック委員会は、開催国の経済レベルを考慮してチケットの値段を審査することとなっていますので、今回はロンドン大会の実績を参考にすることとなるでしょう。2012年のロンドン大会では1080万枚のチケットが1037億円で売られたので、平均単価は9,602円になります。また、2016のリオ大会では、821万枚が509億円で売られましたので、平均はチケット一枚が6,200円になります。

以上の計算で、だいたいの切符の平均価格は分かりましたが、値段の配分はどうなるのでしょうか?

チケッティングの方針 

チケッティング戦略に関する有識者会議の基本方針では「企画チケット」を計画しています。2012年のロンドン大会と2016年のリオ大会でも実施されたアイディアで、若い人(ロンドンでは1から16歳まで)を対象とした特別低価格のチケットの企画を実施する方針です。

「学校連携観戦プログラム」と名付けられた企画について有識者会議は以下のような方針を打ち出しています。

「100万人以上の規模で小中高生等に大会へ観戦に来てもらいたいという方向性が示されました。

「学校連携観戦プログラム」は、自治体や学校単位でチケットをご購入いただき、次世代を担う若者に、より多く会場に来ていただくことを目的としたものです。ロンドン2012大会やリオ2016大会でも実施されていたプログラムですが、過去大会の規模と比べても、更に大きな規模のプログラムとなります。

こうした「学校連携観戦プログラム」をはじめ、たくさんの方が大会に観戦に来られるよう低価格帯のチケットを用意するとともに、その原資となる高付加価値のチケット(ホスピタリティチケット等)も用意していくということが話し合われました。 」

以上のように、特に学生向けの「割引」制度が導入されるようです。そこで、学生達への割引で出た穴を埋めるために「高付加価値のチケット(ホスピタリティチケット等)」を販売する案が浮上してきました。今まで他のスポーツ大会ではホスピタリティチケット購入者には特別観戦席が用意されたり、豪華ディナーが付いたり、色々な「おもてなし」がおまけに付くチケットが売られてきたようです。

学生枠からはみ出し、ホスピタリティチケットには手を出せそうもない人は、結局は2019年春の売り出しを待って、手ごろな切符を見つけるしか仕方がないようですね。頑張りましょう。

 

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参  考

チケッティング戦略に関する有識者会議 委員一覧

座長・早稲田大学 名誉教授 加納 貞彦

副座長・(株)読売巨人軍 代表取締役会長 久保 博

委 員

・慶應義塾大学 特別招聘教授 夏野 剛

・アスリート オリンピアン 萩原 智子

・スポーツ庁 審議官 藤江 陽子

・アスリート パラリンピアン 土田 和歌子

・(公財)日本障がい者スポーツ協会日本パラリンピック委員会 企画情報部長 井田 朋宏

・東京都オリンピック・パラリンピック準備局 次長 延與 桂

・(株)ボストン・コンサルティング・グループ シニア・パートナー&マネージング・ディレクター 苅田 修

・(株)産業経済新聞社 東京本社特別記者兼論説委員佐野 慎輔

・内閣官房東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会推進本部事務局 内閣審議官 十時 憲司

・ニールセン スポーツ ジャパン(株) 代表取締役社長 秦 英之

・(公財)日本オリンピック委員会 事務局長 細倉 浩司

・(公財)ラグビーワールドカップ2019組織委員会 チケッティング・マーケティング局 局長(チケッティング担当) 森 貴信

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