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~短距離走を速く走るには~ 身体の「バネ」と鍛え方の記事で、短距離走では「伸張性収縮力」を鍛えることが重要と述べました。
では、実際のトレーニングはどうすればよいのでしょうか。
短距離走のトレーニングを考える前に、まずは一般的に知られている、効果的なトレーニングを行う際の原則と短距離走との関連について紹介します。

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トレーニングの原則

特異性の原則

向上させたいものに特化したトレーニングが効果的ということです。
走る速さを向上させるのであれば、走る動作に類似したトレーニングが効果的で、
腕立て伏せばかりやっていてもあまり効果は期待できないです。

全面性の原則

特に必要する能力だけでなく、全ての能力をバランスよく向上させることが望ましいということです。
例えばサッカーでは、「蹴る」トレーニングばかりでなく、走る速さ、持久力など必要ですので、それらをバランスよくトレーニングする必要があります。
短距離走では、走る速さが全てですので、この原則はあまり考慮しなくてよいかもしれません。

過負荷の原則

同じ強さのトレーニングを続けては、現状維持に留まり能力は向上しません。徐々に強いトレーニングをする必要があります。
ただ、現状よりあまりにも強いトレーニングは、怪我などして、かえって身体を損なってしまうことがありますので、ほどほどに。

例えば、重量挙げであれば単純に重量を増していくことが考えられます。
短距離走で過負荷というと、手段はともかくとして自身の限界を超えて速く走るということですね。

超回復の原則

ずっとトレーニングしていると、いずれは限界に達してその運動が続けられなくなります。
これは乳酸が蓄積して疲労するからです。
十分な休息と食事によって徐々に回復していきますが、トレーニング前の状態に戻るだけではなく、さらに体力が上昇します。その現象を「超回復」と呼びます。
この超回復の期間にトレーニングを続けていけば、体力は向上していきます。
逆に、疲労している期間にトレーニングをしても、さらに疲労するだけで体力の向上は見込めません。
トレーニング→疲労→超回復→トレーニングという繰り返しが大事です。

個別性の原則

人には個人差がありますので、トレーニングのメニューも各人の特性・能力に合わせる必要があります。
100mを9秒代で走る人と15秒以上走る人のトレーニングは同じではないと思います。

意識性の原則

トレーニングによって十分な効果をあげるには、トレーニングの目的・内容をつねに意識しながら行うことが重要です。
例えば、何となくボールを投げたらカーブがかかった、というのでなく、腕をどのように動かしているか認識しながら投げることで、自分が思ったようにカーブが投げられるようになります。

継続性の原則

トレーニングは継続してこそ大きな効果があります。放っておけばすぐにトレーニング前のレベルまで低下してしまいます。強いトレーニングをするより、弱くても持続することが大切です。

生物学的法則

レベルが高くなるほどトレーニング効果は少ない、という人を含めた生物の法則です。
運動能力とは、生物が進化して環境に適応して獲得してきた能力なので、上限があります。
100m走を10秒で走るスプリンターが9秒で走れるようになるトレーニングより、15秒で走る人が12秒で走れるようになるトレーニングの方が容易です。

まとめ

一般的なトレーニングの原則を見ていきましたが、いかがでしょうか。
どれも大事ですが、短距離走に限っていえば「特異性の原則」「過負荷の原則」をどのように実現するかが重要です。
次回は2つの原則に注目して、いろいろなトレーニングを見ていきます。

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