中長距離のレースの考え方

陸上競技の中長距離走は、短距離走やハードル走のように選手のレーンが決まっているわけではありません。
レース中に位置を自由に変えられますので、他の選手との駆け引きが必要になるときがあります。
各選手はベストの位置取りを確保するため、激しいポジション争いも起こります。

また、長い時間の競技なので、天気や風速などの条件によって、レース展開が変化していく場合もあります。
事前にレース展開を予想して戦術を立て、レース中の変化に対応していくことが重要です。

レース中
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スタートについて

中長距離走のスタートは、短距離走のクラウチングスタートではなく、立った状態から片足を前に出すスタンディングスタートで行われます。
スタートの信号機の発射音の前にスタートする動作を行った選手は不正スタートとして失格になります。

スタート位置は、
①各選手にレーンが割り当てられている場合(800m走など)、
②レーンは決まってなく1つのスターティングラインからスタートする場合、
③インとアウトの2つのスターティングラインからスタートする場合(12人以上)
の3つあります。

レースは左回りで、①はブレイクラインまで自分のレーンを走る必要があります。
③はアウト側でスタートした選手はブレイクラインを超えるとイン側の走路に合流できます。
ブレイクラインの前に内側のレーンに入った場合は失格となります。
ただし、他の選手に妨害されて、避けるためにレーン外に出た場合は失格となりません。

中距離走の各競技の戦術

800m走の戦術

800m走はトラックを2週します。
他の種目と比べて距離が短いので、ランニング速度は非常に速く、よほどの実力差がない限り、最初から最後まで集団でのレース展開になります。
ラストスパートのスピード勝負で勝敗が決まる場合が多いので、
ラスト200~300mで集団のどこに位置取りしているか、いつスパートをかけるかが重要です。
位置取りは2番手が理想とされています。先頭は風の抵抗をまともに受けてしまいますので、
あまりおすすめできません。
スパートは残り150~100mが目安ですが、余力があるなら200m時点でスパートをかけてもよいです。

1500m走の戦術

1500m走は、最初から最後まで同じような速度、つまりイーブンペースで走ったときに好記録が出やすいと言われています。
他の選手のペースの上げ下げに合わせて無理なペースで走るのではなく、事前に計画したペースで走ることが大切です。

また、1500m走は1レースに出場する人数が多く、スタートからオープンレーンで走るため、選手同士の接触が起こりやすいです。
前方近くの外側に位置取り、先頭の選手を視野に置きながら走ることが重要です。
この位置をキープしつつ、目標のペースを守って残り1週になるまで余力を残して、残り200m~100mからのスピード勝負に持ち込むのが理想のパターンです。

3000m走の戦術

3000m走は1000mごとに序盤・中盤・終盤と分けて考えます。
1500m走と同じくイーブンペースが理想です。序盤はスピードの出しすぎを抑え、中盤・終盤のタイムを維持して、ラストパートまで十分に余力を残すことが大切です。
中盤でペースダウンしてしまうことが多いので、中盤のラップタイムが、序盤のタイムより5秒以内に抑えるのが理想です。
この長さになると、スピードよりも持久力をつまるトレーニングが必要になります。

5000m走の戦術

5000m走は3000m+2000mと考えてペース配分を考えましょう。
3000mはイーブンペースを維持して、3000m過ぎてペースダウンしないスタミナが必要です。

残り1000mになるとスパートの仕掛けあいが始まります。
集団の前方に位置して他選手の動きに対応できるようにしましょう。

3000m障害走の戦術

3000m障害走は、ある程度のスピードが維持できなければペースダウンどころか障害を越えることもできません。疲労した足に障害がぶつかり転倒してしまうこともあります。
重心を低くして障害をスムーズに飛び越す技術に加えて、長距離を走り切る持久力が必要になります。

10000m走の戦術

トラック種目の中で最長の10000走は、多くの体力とトレーニングが必要です。
集団のペースの上げ下げに合わせるのではなく、自分のペースを維持することが重要です。
ペース感覚を磨き、事前に1000mごとの目標を立てて走りきるようにしましょう。