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元オリンピック短距離走者だったイアン・ワーナー氏は、スプリント競技においてスピードを上げるのにはrelaxation、つまり、体と精神の緊張をほぐす必要があると力説します。
少しでも早く走ろうと頑張ることと、リラックスすることは一見相反する状態だと思われますが、スプリント競技において、緊張の緩和は大切だとワーナー氏は確信したそうです。しかし、本人も競技中にこの状態を維持できるようになるのには10年間ものトレーニングを要したそうです。
ここで、ワーナー氏によるrelaxationの力を発揮するための5つのアドバイスを紹介します。

1. 顔の緊張をほぐすこと(Relax your face)

顔が緊張していれば、首から手、手から全身に堅さが伝わり、腕の動きを束縛し、全身の疲労につながります。走っているとき、唇や頬が振動や風を受けて、自由に動けるようにリラックスしていなくてはスピードが上がりません。

2. 手のひらを広げておくこと(Keep your hands open)

こぶしを握り締めて、必死に走る選手がいますが、最速のスピードを出すのには薦められません。こぶしを強く握ると、腕から肩にかけて、強い緊張を生み、自由な動きを妨げます。
400m競争の最終直線コースに注目して見ますと、多くの場合、最もリラックスした表情をしているランナーが勝者です。

3. 肩を下げたままにすること(Keep your shoulders down)

走行中、肩がどんどん上がってしまうと、速度が著しく落ちます。肩が上がると、腕が不自由になり、全身に緊張が走ります。また、一旦肩が上がり始めてしまうと、なかなか下ろせなくなります。残念なことに、肩が上がった状態で走るのか癖になってしまい、自分の能力以下の成績で終わってしまう選手をしばしば見かけます。鉄則は、肩は出来る限り下げた状態で走ることです。

4. ストレスを無くしてトラックに立つこと(Step onto the track free of stress)

プレッシャーに強いと言われる選手もいますが、普通、特に若い選手にとっては、ストレスを抱えたまま競技に挑むのはマイナスです。走る前に頭の中をすっきりさせるのは、アスリートにとっては大事な「技術」です。優れたスポーツ選手はこのスキルをマスターしています。

5. 腕が全てをコントロールしていることを忘れないこと(Remember the arms control it all)

スプリント競技では、主に足が仕事をしますが、腕がそれを制御していることを理解するのが肝心です。早く走りたいのであれば、足をより速く動かすことを考えないで、腕をより早く動かすことを考えるべきです。腕がより早く動けば、自然と足も速く動くということです。
ここでのアドバイスの中で、上半身の状態と緊張の緩和について強調してきたのは、腕の自由な動きこそがスプリントの要だと思うからです。
これからは、足ではなく、腕の動きに神経を集中させて走って下さい。

まとめてやってみよう(Putting it all together)

以上のアドバイスを全て考えながら走るのは大変ですが、1つ良い方法があります。もし100m競争の最中に、1つギアを上げてスピードアップしたいときは、一回息を吸って下さい。そして、勢い良く吐き出して下さい。いっぺんに顔の緊張が取れて、肩も下がり、腕の動きに集中できるようになります。
この呼吸法を練習して、自分に合ったタイミングを探って下さい。レースの最中、もう一息というとき、力が発揮できるという自信につながります。
スプリント競技は100分の1秒を争うスポーツです。そのため、小さい努力の積重ねが結果の差に表れるのです。

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あとがき

上記記事はSTACKに発表されたイアン・ワーナー氏の「An Olympic Sprinter Reveals Why Relaxation Is Essential to Sprint Speed」(2018年3月29日更新)の内容を基にまとめたものです。
イアン・ワーナー(Ian Warner)氏は2012年のオリンピックにカナダ代表短距離走者として参加し、現在は後進の指導に当たっています。

http://www.stack.com/a/relax-and-run-faster-an-olympic-sprinter-reveals-why-relaxation-is-essential-to-sprint-speed

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