2019年の9月に世界陸上がドーハで開催されます。なんといっても注目は男子100mと日本の得意種目リレーです。そのどちらにも出場が決まっているのが日本代表選手のサニブラウン選手です。
また100m9秒超えの選手が3人もいるということで、世界といい勝負ができるのではないかと期待が持てます。
今回の世界陸上はジャマイカのウサイン・ボルト選手が引退して初めての世界大会となります。そうなると気になるのは、ウサイン・ボルトに変わるジャマイカ勢をけん引する選手は誰か?ということです。
世界陸上大会には出場するための参加標準記録があり、かなりハードが高い基準となっています。
参考記事 >>>「世界陸上2019の選考基準とは?代表内定はオリンピック代表への第1歩」
男子100mでは期間中の有効記録が10.10秒、リレーは先に横浜で行われた世界リレー大会での上位10チームと世界TOP LISTS(ランク)上位6チームです。
日本の400m(100m×4)リレーは失格で順位はつきませんでしたが、世界ランクが5位なので出場できます。同じようにアメリカ、ジャマイカは世界リレーでも2位と6位、世界ランクは2位と1位なので出場は確実です。
さらにこの世界陸上でのリレー上位8チームが東京オリンピックへの出場権を獲得するため、気の抜けない試合です。
リレーは100mの実績が大きく影響するので、日本代表選手の最近の成績とジャマイカの出場有力な100mの選手についてみていきます。
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ドーハ世界陸上2019日本男子400mリレーのエントリー選手と成績
今年(2019年)7月に行われたダイヤモンドリーグの男子400mでは37.78秒で2位(1位は37.60秒でイギリス)でした。その時のメンバーは、①多田 ②小池 ③桐生 ④白石の走順で、4走者に白石選手を加えたのはサニブラウン選手の欠場によるものです。
ちなみに前回2016年のリオオリンピックで日本代表チームが2位になった時の記録は37.60秒で、当オリンピックで優勝のジャマイカは37.27秒でした。
世界陸上での走者はまだ決まっていませんが、上記④番目のアンカーにサニブラウン選手を起用するのが有力視されています。
男子400mリレー代表候補選手
選手名 | 今期自己ベスト | 世界ランク | 身長 |
サニブラウン・アブドラハキーム | 9.97秒 | 24位 | 190cm |
桐生祥秀 | 10.01秒 | 11位 | 175cm |
山縣亮太 | 10.01秒 | 33位 | 177cm |
小池祐貴 | 9.98秒 | 14位 | 173cm |
多田修平 | 10.12秒 | 48位 | 176cm |
酒井隆一郎 | 10.12秒 | 124位 | 170cm |
飯塚翔太 | 10.19秒 | 87位 | 186cm |
白石黄良々 | 10.19秒 | 90位 | 180cm |
ケンブリッジ飛鳥 | 10.20秒 | 166位 | 180cm |
川上拓也 | 10.24秒 | 47位 | 169cm |
橋元晃志 | 20.73秒/200m | 175cm |
ウサイン・ボルト後の注目のジャマイカ選手(100m/リレー)
ウサイン・ボルトが引退してからのジャマイカのけん引役といえば、ボルトの次に早い記録保持者ヨハン・ブレイク/Yohan BLAKE選手です。
いまだ世界記録保持者のウサイン・ボルトの100m9.58秒の次にジャマイカ勢の中では早く、100m9.69秒(世界3位)の記録保持者です。
なお世界記録保持者上位10位はほぼジャマイカとアメリカで独占せれていて、そのうちジャマイカ選手は5名ランクインしています。
これから期待できる注目の若手選手はヨハン・ブレイク選手の他に、これから東京オリンピック代表候補に出てきそうな選手は、タイケンド・トレーシー、ジュリアン・フォンテかなと思っています。
逆にベテランで言えばネスタ・カーター、アサファ・パウエルあたりがどこまで粘れるかが勝負かと。このベテラン勢はオリンピックも経験しており2008年の北京オリンピックでは400mリレーにウサイン・ボルトと出場し金メダルになっています。
その後、ネスタ・カーターのドーピングが発覚しメダルは剥奪され3位の日本が銀メダルに昇格。先日、横浜で開催された世界リレーでは改めてメダルセレモニーが行われました。
その時の日本のリレー選手メンバーが塚原直貴さん、末續慎吾さん、高平慎士さん、朝原宣治さんです。
その注目のジャマイカの選手を見ていきます。
ヨハン・ブレイク/Yohan BLAKE(ジャマイカ)
1989年12月26日生まれ 30歳 身長180cm
自己ベスト100m:9.69秒/200m:19.26秒
今シースンベスト:9.94秒
世界ランク9位、ジャマイカ内1位
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ポスト・ウサイン ボルトともいわれ100m、200m共にウサイン・ボルトに次ぐジャマイカ歴代2位の記録保持者。オリンピックは過去ロンドンとリオの2回経験し、ロンドン大会では100m、200mともに銀メダル。2回のオリンピックでは男子400mリレーのメンバーで金メダルを獲得している。
ジュリアン・フォンテ/Julian FORTE(ジャマイカ)
1993年1月7日生まれ 26歳
自己ベスト100m:9.91秒/200m:19.97秒
今シーズンベスト:10.17秒
世界ランク120位、ジャマイカ内:9位
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もともと走り幅飛びの選手でしたが、短距離に転身した。オリンピックの出場経験はありませんが、2014年の世界リレーでメンバー入りを果たし金メダルを獲得。今年2019年の世界リレーでもメンバーの1人でした。
タイケンド・トレーシー/Tyquendo TRACEY(ジャマイカ)
1993年6月10日生まれ 26歳
自己ベスト100m:9.96秒/200m:20.39秒
今シーズンベスト:10.03秒
世界ランク12位、ジャマイカ内:2位
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オリンピックの経験はありませんが、2018年に行われた陸上選手権では100mで金メダル、400mのメンバーで銀メダルを獲得。この時の100mの記録が自己ベストとなっています。勢いのある若手選手です。
先の世界リレー大会では、男子400mでは日本は失格、ジャマイカは6位となっています。ジャマイカはまだ世代交代がうまくいっていない感じはあるものの、そこをどこまで改善できるかがリレーの順位にでてくるはず。
世界陸上では日本代表選手のオリンピック1年前の仕上がり具合と、世界のライバル選手の台頭具合をチェックできるいい機会です。日本選手の応援とともに、世界レベルの戦いとライバルチェックで楽しみたいですね。