800mとは中長距離種目のひとつです。1周400mのトラックを2周します。
ラウンドは短距離と同じく規模にもよりますが、予選、準決勝、決勝とあります。
スタートは中長距離種目では唯一のセパレートレーン(※1)でのスタートになります。
スタート地点は400mのスタートと同じです。400mと比べると1~8レーンまでのレーン毎の差は緩やかになっています。
スタートの線の色は400mのスタートとは違い、白色の線ではない場合があります。レーン番号が書かれたコーンがあるので、その前の線と覚えておけばよいでしょう。もし、わからないという場合は速やかに近くにいる係員に聞きましょう。
スタートはスタンディングスタートになります。1組あたり基本的に8人となります。稀に1つのレーンに2人入ってスタートするときや、記録会などの非公式大会ではオープンレーンで、8人以上の人数でスタートにするときがあります。
スタート後、100m地点にブレイクライン(※2)があり、そのラインを超えると、内側のレーンに入ることができるようになります。そして周回、ゴールとなります。
※1 セパレートレーン・・・1レーンから8レーンまでコースが決められていること。短距離のスタートは全てセパレートレーンになる。
※2 ブレイクライン・・・100m地点に緑の線がある。(これ以上内側に入れない1レーン以外の2~8レーン)その線がブレイクラインといわれる。その線の両端に黄色いマーカーも置かれているため、かなりわかりやすくなっている。ブレイクラインを超えると、自分のレーンから内側に入ることができる。
Contents
800m中長距離走の走り方
800mはスタート後が大切!
800mは中長距離種目ですが、かなり短距離色が強い種目となっており、スタート後がかなり重要になります。
スタート後100mまで自分のレーンを走りますが、ブレイクラインを超えたあと、内側の1レーンに入る流れになります。
ここで少しでも遅れをとってしまうと取り残されてしまいます。
内側レーンの場合は外側から選手が来るので、ポケットされないようにしましょう。ポケットとは自分の前方、外側に選手がいる状態です。
ポケットされてしまうと、抜けるには前方か外側の選手が脱落するか、自分が一度減速し、外側に出るという対策を取らなくてはいけません。
800mではかなりスピードを要するので、無駄な体力を使うことになります。
外側のレーンの場合はブレイクラインを超えたあと、焦っていきなり内側に入らないようにしましょう。
緩やかに200m地点までに集団に合流するというイメージで徐々に内側に入るとスムーズですし、ポケットのリスクも防げます。
集団より外側を走ると、少し損をする気持ちになるかもしれませんが、距離はほとんど変わりません。あまり気にしないようにしましょう。
中間のレーンの場合は、集団の動きを見て、着順争いに参加しましょう。スタート後にどれだけ無駄な力を使わず場所取りできるかが重要です。
接触などにも気をつけましょう。戦略にもよりますが、最初は3、4番手につくようにしましょう。
中間から後半は集団の様子を見つつ、スパートのタイミングを掴む!
200m地点を過ぎると、集団の動きを見つつ、臨機応変に順位をあげていきましょう。
流れはレース毎に毎回変わるため、様子をみることがかなり大切になります。
速い選手でもその日のコンディションで最下位になったということがよくあるので、何が起こるかわからない種目でもあります。
大会のレベルにもよりますが、スパートをかける選手が出て来るのはラスト300m、2週目の100m過ぎくらいから多くなります。
スパートをかけ始めた選手に素早く反応できるようにしましょう。
ゴールまで諦めない!
800mのスピード配分は1週目の200mが一番速く、その後は緩やかに右肩下がりになり、最後200mはスパートの影響で少し下がるといった流れになります。
800mは速いスピードで展開されるため、ラストはほとんど気力で走ることになります。ゴール前はとても苦しいですが、最後まで諦めない気持ちが大切です。
800mの練習方法
スピードが基本!
800mではスピードがかなり大事になります。
だいたい男子だと周回が55秒前後、女子だと60秒前後で1週目を回ってきます。
そのスピードで回るには、最低でも400mを1週目のマイナス2~4秒で走れるスピードが必要になります。
フォーム確認をする
バタバタと走っていると、その分無駄な体力を使ってしまいます。
背筋を伸ばすように意識し、腕振りはお腹の前に太鼓があるイメージで力強く叩くようにします。
腕は目線くらいまであげるイメージで、肩甲骨をしっかり引くようにしましょう。脚はストライドを広くするようにしましょう。もちろんピッチも意識します。
接地は母指球を意識し、かかとから接地しないようにしましょう。
練習メニューの一例
スピード練習は最大スピード、スピード持久力を意識した練習にしましょう。
150m、200m、300m、600m、1000m、4000~6000mビルドアップ・ペース走がよく用いられるでしょう。
自分の得意・不得意に合わせてメニューを組み合わせます。
例えば、150mはスピード意識で10本行う、600m+200mであいだは200mジョグつなぎで800mの前半、ラストスパートを意識した練習をするなど色々組み合わせましょう。
サブ種目で400mや1500mに出場することもおすすめします。中長距離はバランスが一番大切なので、偏りすぎないように気をつけましょう。
800mに挑戦してみましょう!
800mはとてもきついという嫌なイメージが先行していますが、短距離と長距離の要素を持った選手しかできない競技です。
バランスを調整することも難しいので、とても挑戦しがいのある競技でもあります。
日本では少し人数が少ないかもしれませんが、海外ではとても人気競技です。少しでも興味があれば、どんどん800mに挑戦してください!
参考動画
2018年日本選手権男子 決勝
2018年日本選手権女子 決勝