筋繊維タイプとはご存知でしょうか?
筋肉には、瞬発力に優れた白い筋肉(速筋)と持久力に優れた赤い筋肉(遅筋)と、この2つの種類が存在します。
しかし、厳密には白い筋肉はⅡAタイプとⅡBタイプがあり、どちらも瞬発力はありますが、ⅡBタイプの瞬発力の方が勝ります。
ですので、筋繊維のタイプは3つに分かれる事になります。
赤筋タイプ、中間タイプ、白筋タイプとこの3つですね。
陸上短距離走では、当然、瞬発力のある白筋タイプの人が有利になり、赤筋タイプの人は不利になります。
陸上長距離走では、赤筋タイプの方が有利です。ある一定の力を継続して長い時間出力する能力つまり持久力に優れている反面、ほぼ一瞬の大きな力を出力する瞬発力には劣ります。このタイプの筋肉が多い人は残念ながら、世界で戦えるスプリンターになることは難しいかもしれません。というのも、実際に研究結果が出ており、XXタイプの人たち(赤筋優位タイプ)は世界大会の標準記録すら切る事ができなかったと出ているからです。
また、XXタイプの人はトレーニングを積んだとしても10秒5を切る事は至難の技だとの見解も出ております。
それに対し、スプリンターで10秒0台を出している人はRRタイプ(速筋優位タイプ)の人とRXタイプ(速筋赤筋バランスタイプ)しか居ない事が研究により分かったそうです。
この白筋タイプの人は黒人に多いと言われており、ジャマイカ人のおよそ9割はこのタイプです。ですからオリンピックでもジャマイカ人が短距離に一番向いており、メダルの獲得も多いのです。ウサインボルトはまず間違いなくRRタイプでしょうね。
赤筋はエアロビック筋つまり有酸素運動で駆使される筋肉であり、白筋はアネロビック筋つまり無酸素運動で駆使される筋肉。短距離走は無酸素運動です。
なので無酸素運動を司るアネロビック筋を多く持ったRRタイプが400m以下の陸上競技で有利だという事は言うまでもありませんね。
オリンピック級のアスリートを真剣に目指すのならば、アクチニンスリー(ACTN3)遺伝子多型検査で自分が3つのタイプのうちどのタイプであるかを知っておきましょう。
口腔粘膜でスポーツ遺伝子を調べる【DNA EXERCISE】
短距離を楽しむ分には筋繊維のタイプなんて関係無い事かもしれませんが、オリンピックを目指している人やある程度大きな大会で優勝したいのであればRR型かRX型である必要があります。
RR型であれば短距離の才能ありです。RX型であれば中距離の才能あり。XX型であれば長距離の才能あり。五輪選手を目指すのであれば自分に合った、自分に向いている種目を選ぶ必要があります。何せ世界と戦うわけです。
陸上短距離だけではありませんが、重量挙げ、ウェイトリフティングなど、瞬発力の関係するスポーツは殆ど才能がものを言います。ですので、これらのスポーツで本当に結果を出したいのならばまずは、自分の筋繊維タイプを知った上で鍛錬する必要があります。
先程も言いましたが、趣味でそれらのスポーツをやる分には筋繊維タイプを知る必要なんて全くありません。
誤解を避ける為に言っておきますが、たとえ自分が短距離に向いていない筋肉タイプだったとしても短距離を辞める事はナンセンスだと思います。スポーツは楽しいからはたまた好きだからやるものです。
遺伝子には逆らえないという気持ちも分かります。日本人には2割しかRRタイプの人は居ません。
オリンピックアスリートを目指している人でも無い限り自分に短距離の才能が無いからといって辞めないで下さい。
逆に自分が短距離に向いているRR型だったとしてもスプリントはその他様々な要因も考慮しなければ結果に繋がらない事は言うまでもありません。
自分がどの筋繊維タイプかを知りたい方は以下の遺伝子検査で知る事が可能です。
ちなみにこの検査は口腔粘膜を専用の綿棒で採取するだけですのでとても簡単にできます。
この動画のように朝原宣治選手も過去に受けている事が分かりました。