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世界最速のスプリンターといえば、ジャマイカのウサイン・ボルトがすぐに思いつきますよね。ボルト選手は100mと200mの両方で世界記録を持っています。

日本で言えば、サニブラウン選手が日本人100m9秒代の桐生選手の記録を打ち破り9.97秒を記録したのが記憶に新しいですよね。

意外にもこの2人に共通することがあるをご存じですか?

ウサイン・ボルトはジャマイカ出身ですが、オリジナルは西アフリカ系の家系です。またサニブラウン選手の父親は西アフリカ・ガーナ出身です。
そう、2人に共通しているのは西アフリカの遺伝的要素です。

近年、スポーツと遺伝子の関係が明らかになっていて、遺伝子タイプに合わせたトレーニング方法で能力を向上させる方法が取られています。


この遺伝タイプが、いわゆる筋肉のタイプで「速筋」「遅筋」の割合を表すものです。
この遺伝子タイプで向くスポーツや速筋、遅筋の鍛え方などトレーニング方法が違ってきます。

速筋と遅筋がどのくらいの割合で自分にあるか、ちょっと興味がありませんか?

トレーニングしているのになかなか結果がでない!なんて人は、間違ったトレーニングをしているかもしれませんよ。

筋肉の遺伝子タイプによるスポーツの適性や自分の速筋・遅筋の割合を簡易的に計算する方法を知って、能力アップを目指してくださいね。

参考記事:「運動能力は遺伝する?サニブラウン選手や日本人のメダルに期待が持てる理由」

速筋と遅筋の割合と日本人選手の傾向

筋肉に関わる遺伝子タイプには大きく3種類あります。筋肉には瞬発力をうみ出す「速筋(白筋)」と持久力をうみ出す「遅筋(赤筋)」、その両方を兼ね備えた「中間筋(ピンク筋)」があります。

この筋肉の割合が遺伝子タイプによって違い、その割合の結果が運動能力と疲労耐性にも影響しています。

速筋の多いタイプはRR型遅筋の多いタイプはXX型バランスよくあるのがRX型です。R型は瞬発力を出すことに優れていますが、疲れやすく持久力がないタイプです。逆にXX型はエネルギーを効率よく出すことができるため持久力がありります。

RR型は瞬発力の影響が大きい短距離のスプリンター向き、XX型は持久力が必要なマラソンランナー向きと言えます。またバランスのよいRX型はサッカーやバスケットなど瞬発力と持久力の両方が必要なスポーツに向いていると言えます。

この遺伝子タイプは人種によるのもが大きいとされています。
現在、世界の短距離のランキング上位や記録を残しているジャマイカやアメリカの選手では黒人選手が多いのがそれを現わしています。

ジャマイカ、アメリカ、日本でこの遺伝子タイプを比較してみると、

RR型 RX型 XX型
ジャマイカ 75% 23% 2%
アメリカ(黒人) 66% 30% 4%
日本 20% 53% 27%
エチオピア 44% 44% 12%
ケニア 84% 15% 1%
ナイジェリア 83% 17% 0%

(「新しい視点からのトレーニング科学」より)

となっています。ジャマイカではRR型の瞬発系が75%、逆に持久系のXX型は2%となっていて、圧倒的にスプリンター向きの人が多いことが分かります。

逆に日本人の割合はRR型・XX型が2割でバランス型(RX型)が5~6割と短距離に関しては、適性のある人は少ない(しかし向いている人はいる)傾向にあります。

ジャマイカ人の90%以上が西アフリカ出身の子孫(ウサイン・ボルトも)とされ、アメリカの黒人の人達もアフリカ サハラ以南出身の子孫が多く、このことが遺伝タイプに現れています。

表から分かるように、アフリカではRR型が多い傾向にあり特に西アフリカのナイジェリアではその傾向がよく出ています。
サニブラウン選手の父親も西アフリカのガーナ出身なので、恐らくRR型遺伝子が優勢かと思います。

しかし、興味深いことにマラソンや長距離で上位を占めるエチオピアやケニアでは持久系のXX型が高いわけでもなく、むしろ日本より低くなっています。

このことから、遺伝子タイプが全てを左右するわけではなく、生活や環境・トレーニングなどの後天的要素が合わさって“能力”が発揮されるということになります。

速筋・遅筋の割合の計算法で知る筋肉の体質

速筋と遅筋がどのくらいの割合で自分にあるか、ちょっと知りたくないですか?
それを自分で知る計算方法があるので、自身の記録を当てはめておおよその割合を算出してみましょう。

  • 50m走を測定し、秒速を計算する
  • 12分間走で走れる距離を計測して、秒速を計算する
  • X(下記計算式で使用)=50m走の秒速×12分間走の秒速
  • 計算式:速筋の割合=69.8X - 59.8

どうですか?自分の筋肉の特徴は把握できましたか?
自分の筋肉タイプと向くスポーツがわかったら、能力を活かすための効果的なトレーニングを行って行きましょう。

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