スポンサー広告

 

「公務員ランナー川内優輝がボストン・マラソンを優勝!」と発表した各メディアの速報を目にして、「凄い、凄い!偉い、偉い!」と喜んだ日本人が多かったことでしょう。

 

川内優輝

boston-mar-2018-yuki-winner-640x502

確かに今年のボストン・マラソンには特記すべきことが沢山ありました。先ず日本勢についていえば、只今申し上げた川内優輝(31、埼玉県庁)の優勝です。1987年大会の瀬古利彦以来31年ぶりの優勝となりました。その快挙は日本人として、本大会の8人目、9度目の優勝だったのです。川内は、途中から大差のリードを許していたジョフリー・キルイ(Geoffrey Kirui、ケニア、2017年ロンドン世界陸上王者で前回覇者)を40キロ過ぎたところでかわし、劇的なフィニッシュを成し遂げました。大雨、強風、スタート時の気温3.3度という重なる悪条件の中で、2時間15分58秒のタイムでテープを切ったのです。素人公務員ランナーとしてかつては話題となっていた川内が、ついに成し遂げた快挙です。

 

さて、アメリカでは、多くのマラソンファンの注目を集めたのは女子の競争結果でした。それはアメリカ人女子のワンツーフィニッシュというだけではなく、1位の選手と2位のランナーの経歴の大きな違いが話題となりました。

Yuki Kawaguchi & Desiree Linden

優勝者のデシリー・リンデン(34、Desiree Linden)は米国人の女子選手として1985年以来33年ぶりの優勝を果たしました。彼女は2012年のロンドンと2016年のリオデジャネイロのそれぞれのオリンピック選手に選出された、ベテラン長距離ランナーです。しかし、大きな話題をさらったのは、次席の無名のランナーであったサラ・セラーズ(26、Sarah Sellers、米国)のほうでした。30年ぶりの寒さと強風に見舞われた米ボストンで圧巻の走りを披露し、2時間44分4秒のタイムで2位に入賞しました。

Sarah Sellers

sellers

サラ・セラーズの経歴が人々の関心を得たのです。彼女は2015年に大学を卒業して現在はアリゾナ(Arizona)州で看護師として働いています。しかもマラソン歴はたった7ヶ月前から大まかなトレーニングを始めたばかりで、ユタ(Utah)州の予選大会に優勝して本大会への出場が叶いましたが、なんとフルマラソン大会で走るのは今回が2回目だったのです。

セラーズは大会の参加費の180ドル(約1万9000円)を払いましたが、大会が終って見れば、2位の賞金7万5000ドル(約800万円)もの大金を獲得する結果となりました。彼女は、陸上中長距離の情報サイトletsrun.comで「まだ目覚めたら夢じゃないかと考えています。調子よく走れました。コンディションは本当に厳しかったのですが、この順位には自分でもびっくりです。さっぱり訳が分かりません」とコメントしています。マラソンファンだけではなく、本人が一番驚いているようですね。ほほえましいコメントではありますが、記録はまさに天晴れと言うほかありません。

 

下記は2018年4月16日に行われた第122回ボストン・マラソン(2018 Boston Marathon)の男子および女子部門それぞれのゴール順位トップ15人のリストです。(B.A.A.:Boston Athletic Associationサイト参照)

なお、リストの詳細は次の順で表記されています:順位(Place)、背番号(Bib)、氏名(Name)、公式タイム(Official Time)、州(State)、国(Country)、国籍(Ctz)。

 

男子走者(Runners: Men)

1 11 川内優輝Kawauchi, Yuki 2:15:58   JPN  

2 1 Kirui, Geoffrey 2:18:23   KEN

3 25 Biwott, Shadrack 2:18:35 CA  USA

4 35 Pennel, Tyler 2:18:57 NC  USA

5 27 Bumbalough, Andrew 2:19:52 OR  USA

6 26 Smith, Scott 2:21:47 AZ  USA

7 12 Nageeye, Abdi 2:23:16   NED

8 23 Kibet, Elkanah 2:23:37 CO  USA

9 19 Coolsaet, Reid 2:25:02 ON  CAN

10 48 Vassallo, Daniel 2:27:50 MA  USA

11 104 Daly, Daniel 2:27:54 CT  USA CRO

12 248 Herzig, Matthew 2:27:55 MA  USA

13 979 Zywicki, Benjamin 2:28:02 CO  USA

14 21 Sambu, Stephen 2:28:07   KEN

15 17 Abdirahman, Abdi 2:28:18 AZ  USA

 

女子走者(Runners: Women )

1 F8 Linden, Desiree 2:39:54 MI  USA

2 F42 Sellers, Sarah 2:44:04 AZ  USA

3 F18 Duchene, Krista 2:44:20 ON  CAN

4 F30 Hyland, Rachel 2:44:29 MA  USA

5 2094 Chichester, Jessica 2:45:23 NY  USA

6 F25 Dimercurio, Nicole 2:45:52 NC  USA

7 F5 Flanagan, Shalane 2:46:31 OR  USA

8 F26 Reed, Kimi 2:46:47 MO  USA

9 F1 Kiplagat, Edna 2:47:14   KEN

10 F24 吉富博子Yoshitomi, Hiroko 2:48:29   JPN  

11 F32 Thompson, Joanna 2:48:31 NC  USA

12 F101 Mcmahan, Dot 2:48:57 MI  USA

13 1400 Jackson, Veronica 2:49:41 NJ  USA

14 2309 Snelson, Rebecca 2:49:50 CT  USA

15 F45 Vido, Margaret 2:50:11 PA  USA

 

Sponsored Link

こんな記事もどうぞ