跳躍競技のポイント
跳躍競技は、短距離走/中長距離走と違い、「走りながら跳ぶ」スポーツですので、跳躍力だけでなく、それぞれの競技について技術を習得しなければ良い記録は出ません。
特に、棒高跳や三段跳は、小中学校の体育授業や部活動で実施されることがなく、高校や大学で専門的に競技する選手しか馴染みがないと思います。
よって、基礎体力がしっかりしていることは前提ですが、身体能力で多少劣っていても跳躍技術が高ければ活躍できるチャンスがあると言えます。
各競技で必要な「技術」について見ていきましょう。
跳躍競技の各競技の技術
走高跳で必要な技術
走高跳では、何といっても「背面跳び」がうまくできるかどうかが重要です。
まず、助走ではスピードを落とさず踏み切れるよう、歩幅を合わせる必要がありますので、テーピングなどでマーキングをして、歩幅が合うようにしましょう。
踏み切りでは、身体の軸をまっすぐにして、踏み切り足の裏全体を接地して踏み切ります。その際、踏み切り足と逆の手足を上方に引きあげます。
バーを越えるときは、頭を後ろに落とすことで背中が反らして、バーに触れないよう足を抜くようにしましょう。
ルールを理解することも大事です。
跳躍して身体がバーに触れてもバーが落ちなければ成功です。
選手は全ての高さを跳ぶ必要はなくパスが出来ます。
3回連続して失敗すると失格です。
棒高跳で必要な技術
棒高跳で必要なのは、ポールをどう扱うかです。
まず、助走ではポールを両手に持ち、先端を斜め前方に向けて、ボックスに近づくにつれて徐々に下ろしていきます。こうすることでスムーズにボックスに先端を向けることができます。
ボックスにボールを突く際は、ポールの反発力を最大限利用するために、奥の溝のやや手前を突いて、滑らすようにして溝に突き入れることが大切です。
また、ポールを突いた時、利き手が身体の真上になるようしつつ、踏み切り足の裏前提で接地して踏み切ります。
踏み切ったら、身体を丸めてタメを作ってから、ポールのしなりが戻るのに合わせて足を突きあげます。
身体の軸をひねって、バーの向こう側へ身体を倒して、バーを越えたらポールから手を離します。
棒高跳も走高跳と同じく、バーが落ちなければ成功ですし、自由にパスすることが認められています。
3回連続して失敗すると失格です。助走距離に制限はありません。
あと、踏み切ったあとに握りの位置を上に変えると失敗となります。
走幅跳で必要な技術
走幅跳で重要なのは、スピードと踏み切りのタイミングです。
100m走で有名なカール・ルイスが一時期、走幅跳でも活躍していたのもスピードがあったからですね。
助走でトップスピードまでスピードを上げ、踏み切り一歩手前と踏み切りは足裏全体で接地します。
踏み切り時は、踏み切り板を出ないギリギリのところで跳んで、逆の足を前方に高く上げて身体が前にも後ろにも傾かないように跳びます。
跳んだら足を交互に出していき、最後は腕を後ろに引いて、両足を前にして着地します。
走幅跳は、踏み切り板から前へはみ出したり、板の外側で踏み切ると無効になります。
助走の距離は自由ですが、レーンから出ると無効です。
また、着地後砂場を出る際に、着地位置より後方から出てしまうとその位置で計測されてしまうので、前方から出るようにしましょう。
三段跳で必要な技術
三段跳は、走幅跳で必要なスピードと踏み切りタイミングに加えて、3回の跳躍の跳び方が重要です。
最初の「ホップ」では、スピードを維持するために、低く速く遠くへ跳躍するようにします。
次の「ステップ」では、空中を歩くようにして上体を起こしてホップと同じ足を接地して、同じように低く速く遠くへ跳躍します。
最後の「ジャンプ」では、両腕を大きく振り上げて高く遠くへ跳び、着地では両足を前、腕を後ろにします。
三段跳のルールは走幅跳のルールに加えて、ホップ・ステップは同じ足、ジャンプは逆の足でなければいけないというルールがあります。