男子マラソン界の最速記録を持つエリウド・キプチョゲ選手(ケニア)が、*非公式ながらマラソンの2時間の壁を打ち破る快挙です。(*IAAFの公式レースではないため正式記録とならない)
その記録は“1時間59分40秒”ということ。
この2時間切りチャレンジのために、今年のドーハ世界陸上のマラソン競技への参加をやめたキプチョゲ選手でしたが、見事達成!
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— Eliud Kipchoge – EGH🇰🇪 (@EliudKipchoge) 12 octobre 2019
2時間切りと聞いてもどれだけすごいのか、いまいちピンときませんが、これまで誰も2時間を切る記録はありません。
最近の世界記録も2018年にキプチョゲ選手自らが出した2時間1分39秒(ベルリン・マラソン)が最速記録です。
おおよそ1マイルを34秒で走るペースで、キロに換算すると1Kmを21.25秒で走ることになります。
それでもちょっとイメージできないので、200mでランキング1位のノア・ライルズ(USA)の自己ベスト記録が19.50秒、2019年のドーハ世界陸上で3位になった日本男子100m×4のリレーで37.43秒のアジア記録になっています。
その倍以上の距離を21.25秒で走るとイメージしてください。全力疾走より速いじゃないか!!
そのキプチョゲ選手の信念が「No Human is Limited」(人間に制限はない)というものです。しかも現在34歳というキプチョゲ選手の限界への挑戦がとまらない、、。
キプチョゲ選手のマラソンシューズはナイキNIKEの最新型
こ前人未到のマラソン2時間切りを達成したウィーンでのレースの時に履いていたマラソンシューズは、ナイキNIKEの2019年最新モデル「ZOOMX VAPORFLY NEXT% 」を改良した未公開のシューズです。
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これまでもマラソンの試合の度に、キプチョゲ選手の履いていたシューズを他の選手が取り入れて、上位入賞者の足元が全てナイキNIKEだったという現象が起きています。
また日本でも東京オリンピックのマラソン内定者を決めるMGCで、内定者の男子の中村匠吾選手と服部勇馬選手、女子の鈴木亜由子選手が2019年の最新モデル「ZOOMX VAPORFLY NEXT% 」を履いていました。
[ナイキ] ZOOMX VAPORFLY NEXT%(レディース メンズ)(27.0, PINK BLAST/BLACK-GUAVA ICE)
大迫選手をはじめ出場30人中16人が着用し、上位10人中で8人着用というNIKEナイキの厚底現象です。
ちなみに2018年シカゴマラソンで日本記録を出した大迫傑選手が履いていたのは、その前のモデル「ZOOM VAPORFLY 4%」です。
>>>「日本新記録の大迫選手のマラソンシューズに注目が集まるワケ」
このマラソン2時間切りは2017年から始まったナイキNIKEとキプチョゲ選手との「Breaking2」というプロジェクトです。ナイキとキプチョゲ選手がコラボして、シューズの改良を重ねてきた成果が証明されたことになります。
特定のシューズで選手の走りの優位性をどこまで認めるかは、議論の余地がありますが(IAAFでは靴の厚さの規定はある)、誰でも手に入るという点では公平性はあるため今のところ企業の使命としてシューズの改良がなされています。
でも、実際にそのシューズを履いた走りの変化を体験してみたいですね。最新版は日本でも入手可能なので、ぜひ実感してみては?