陸上でリレーは100mや200mに並んで人気の競技種目です。ここ最近、日本代表の陸上男子リレーチームが好成績を記録しているので、がぜん注目している人も多いのでは?あのスピード感、クセになります!
決して個人の100mや200mの記録がズバ抜けて早いわけではないのに、リレーとしてチームになると抜群の早さを発揮する。それには足の速さだけではない、リレーの流れとバトンパスに現れるチームワークのよさが伺えます。
これは練習とテクニックで結果を出せることを教えてくれています。早速その“技”を見てみましょう。
【2016年リオオリンピック/日本:外側からの第3レーン】
陸上男子リレーのバトンパスは右手?左手?
陸上男子400mリレーを見ていて気付いたのが「受けたバトンの持ち手を替えていない」こと。一瞬なので分かり辛いですが、右手で受けようと左手で受けようとそのままの持ち手で走りきっていました。小学校の授業では、持ち替えるように習ったのですが、、。
バトンの手を持ち替えないのは、余計な行動を減らし加速に集中することで時間を削ることを狙っているとのこと。小学生の場合はまだ技術がないため、バトン受渡しの時に受け手と渡し手の体が重なってけがをしないように持ち替えを指導しているらしい。早さよりも安全がいちばん!との方針からです。
下のバトンパスのデモ動画を見てみましょう。
基本的に「体が重ならないように受ける」というファームは、走者の邪魔をしないということで、リレーのバトンパスでは基本にして重要な事になります。
ただし、受けた持ち手を替えないのは、400m(100m×4)リレーだけで1600m(400m×4)リレーは持ち手は替えています。その理由は後述しています。
陸上男子リレーのバトンパスは走者順で変わるプロの技
日本代表の400mリレーでは「バトンを受けた持ち手は替えない」というのはわかったのですが、そうなると右手、左手のこだわりなく受けたり渡したりしなくてはなりません。利き手とか関係なさそうですけど、、。
実際のリレー競技を見るとわかりますが、走る速度と加速を妨げないバトンパスの方法でロスタイムを最小限にするコツがあります。そのポイントは400mを4人で走るということです。
トラック1周400mの中には、直線ゾーンとカーブゾーンがあります。それは走者の順番でどのゾーンを走るかは違ってきます。第1走者と第3走者は「カーブゾーン」、第2走者と第4走者(アンカー)は直線ゾーンを走ります。リレーは自分達のレーンを走るので、カーブゾーンを走る場合、なるべくレーンの内側を走るほうが走る距離は短くなります。
ということは、バトンを渡すまでレーンの内側に体があったほうがいいいわけです。バトンパスは体が重ならないようにするので、カーブゾーンを走る第1走者と第3走者はからだが内側の状態、つまり右手でバトンを渡す姿勢(状態)がいいことになります。
そうなると受け手の次走者は左手で受けることになります。直線ゾーンは内も外も関係ないので、そのまま加速すれば走行距離も時間も縮めることができます。1秒の差が順位に大きく影響するため、ここまで細かい戦略をしていたわけです。
これらのリレーのコツを知った上でもう一度、レースを見てみましょう。そのチームワークとスキルに感動しますよ。
もうひとつのコツは>>> 日本男子陸上リレーのコツはアンダーハンドパス