アジア競技大会2018の陸上でいちばん興奮したのは、やっぱり男子400mリレーと男子100mでした。
その中でも日本男子400mリレーは圧巻の迫力で“金”メダルで、記録は38.16秒。2016年のリオオリンピック銀メダルの時の37.10秒にはわずかながら及びませんでしたが、それでも2位との差を広げてのゴールでした。

よく日本男子のリレーの強さは「バトンパス」にあると言われますが、あまりにも一瞬すぎて競技中は見れませんでした。そんなバトン1つで変わるものなのかと思ったのですが、結果として現れているのでこれまたびっくりです。

そんな日本男子400mリレーの驚きのバトンパスについて調べてみました。これを知れば競技のおもしろさが増します!

(2016年リオオリンピック決勝)

日本男子400mリレーのバトンパスのコツはアンダーハンドパスにあり

リレーにおいて最も重要なことは「バトンの速度を落とさないこと」というのがあります。そのバトンの速度を左右するのがバトンパスと利得距離(走者間のバトン受渡し距離)の関係にあることがわかっています。

日本男子リレーでは“受け手のスムーズな加速”という利点を持つアンダーバトンパスを2001年に採用しました。これによりリレーの成果は目に見えて改善、2001年以降の世界大会においては、ほぼ全てにおいて男子400mリレーは決勝に残るという結果をもたらし男子リレーの強豪国として認識されるようになっています。

※利得距離:走者間のバトン受渡し距離。この距離が大きいほど選手が走らずにすむ距離が長くなるためタイムを縮めやすい。
【もう一度、上の動画を見てみよう!】

リレーのバトンパスの方法の違いによるメリットとデメリット

バトンパスには「アンダーハンドパス」と「オーバーハンドパス」があります。
一般的に利得距離があるのはオーバーハンドパスになります。オーバーハンドパスは次走者が腕を後方に伸ばし、前走者は次走者の手に押し付けるようにバトンを渡します。こうなると次走者は体勢がくずれ加速ができなくなります。

(左:オーバーハンド/右:アンダーハンド)

一方アンダーハンドパスは次走者がうでを下方向に出し、前走者は下からすくい上げるようにバトンを渡します。この場合、利得距離はありませんがその分、疾走フォームを崩すことなく受けてが加速できるメリットがあります。

日本男子リレーのバトンパスのうまさを証明する“利得タイム”

バトンパスがうまいことの指数は「利得タイム」(=4人の100mの合計タイムからリレータイムを引いたタイム)で見ることができます。この利得タイムが大きいほどバトンパスがうまいということになります。
男子400メートルリレー(2016年リオオリンピック)で見てみると、

  • ジャマイカ:9秒72 ー 9秒69 ー 9秒90 ー 9秒58 =38秒89 ー (37秒27) = 1秒62
  • 日 本:10秒05 ー 10秒22 ー 10秒01 ー 10秒10 =40秒38 ー (37秒60) = 2秒78
  • アメリカ:9秒85 ー 9秒74 ー 9秒69 ー 9秒84 =39秒12 ー (37秒60) = 1秒50

(参考:サイトTRACより)

と、なり両者より1秒も差があることがわかります。100mのタイムこそ開きがありますが、最近は日本男子100mでも自己ベストタイムを更新しているため、これにバトンパスの技術が加わればさらなる記録の前進が期待できます。
2年後の東京オリンピックまでにどこまでレベルアップできるか、期待が高まりますね。

【リレーのバトンパスのコツを見てみよう!】

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