投てき競技は、重いものや難しい形状のものをいかにうまく、遠くへ飛ばすかを競う競技です。
遠くに投げるためには身体能力の高さが要求される一方で、フォームはどの種目も複雑であり正しい技術を覚えることが大切です。
そのためには、どのようなトレーニングが必要なのでしょうか。
各競技ごとにトレーニングを見ていきましょう。
砲丸投げのトレーニング
砲丸投げのトレーニングは、瞬発力と投射フォームの2つに分けて行います。
①瞬発力のトレーニング
構えから投射に入る過程では、バックステップのスピードが飛距離につながります。
身体を起こした状態でバックステップを行います。
次に、バックステップから腰を落としてグライドの入りに近づけます。
利き手は首に近づけて砲丸の保持をイメージして、利き足を前にして後方にギャロップしながら下がります。
最後に大きく後方にステップして、前足で地面を蹴ってすばやく引き寄せます。
一連の動作を素早く正確に行うことで、股関節まわりの筋肉が鍛えられます。
②投射フォームのトレーニング
投射フォームのトレーニングは5つあります。
・バーベルシャフトの一方を地面に固定し、片手で持ち上げることで突き出しの感覚と
筋力アップをはかります。
・大きめのバランスボールを持って投射フォームを再現します。
身体を大きく使って下半身の重心移動をしっかり行うことがポイントです。
・バーベルシャフトをかついで投射フォームを再現します。
下半身の重心移動や肩の高さの維持、腰の入れ方などフォームのイメージが重要です。
・ゴムチューブにかかとを引っかけて、足を素早く引き寄せます。
そうすることで力強いグライドを身に着けます。
・左手でチューブを持って突き出しをイメージしながら引きます。
このとき腰を入れて上半身を回していくことが大切です。
円盤投げのトレーニング
円盤投げのトレーニングは、投げ、スナップ、フォームの3つに分けて行います。
①投げのトレーニング
ターンを省略してリリースのみを行うスタンディングスローを行います。
投げの確認や感覚を養う方法として効果的です。
次に、円盤でなく砲丸でスタンディングスローを行います。
より振り切り動作を正確に行うための技術アップが見込めます。
②指と手首のスナップのトレーニング
円盤を指で弾く感覚を養うため2人1組で円盤のキャッチボールを行います。
円盤を地面に置いて後方から滑らせてリリースして相手に送ります。
個人で行う場合には、円盤を真上に投げ上げることで間隔の確認ができます。
③フォームのトレーニング
最初の軸足ターンを繰り返します。構えの姿勢をとり、左足に重心を乗せてその足を軸に一回転します。
次に、右足を前に出し180度反転します。腰と左足を常に同じ位置のままにすることがポイントです。
その後は、半回転からスローを行うハーフターンを行いリリースの練習をします。
最後に、フォーム全体を円盤なしで動作するフルターンを行い、フォーム習得を目指します。
ハンマー投げのトレーニング
ハンマー投げのトレーニングは、フォーム、筋力の2つに分けて行います。
①フォームのトレーニング
ハンマーをまわす予備動作から、回転に入るフォーム前半の動きを身に着けるスイングターンを行います。
2回ハンマーをまわして勢いをつけ、2周回転したら、また予備動作のスイングに戻り繰り返します。
また、ハンマーを振りながら歩くスイング歩行を行います。身体が捻じれる感覚を養います。
最後に、ハンマーを持たず空ターンでフォームのチェックを行います。
②筋力のトレーニング
筋力のトレーニングは5つあります。
・バーベルシャフトを肩に担いで両腕で支え、骨盤が前に出るまで左右交互に腰をねじります。
・バーベルシャフトを左右のツイストから水泳のクロールのように振る動作に切り替えます。
・2人1組になり、腕をクロスさせた両手をハンマーの持ち手を同じようにつかみ、
後方に引っ張ります。
・フォームが乱れないように、通常より軽いもの、重いものでハンマー投げを行います。
・重りに取っ手のついたケトルベルを両手で持ち、リリースのみを行います。
やり投げのトレーニング
やり投げのトレーニングは、片足の連続ジャンプ、ミックスジャンプ、助走をつけたミックスジャンプと段階的に行います。
①動作確認のトレーニング
壁を正面に立ち、メディシンボールを両手で持って両腕をあげます。
その姿勢からボールを壁に当て、跳ね返りをキャッチします。
次に、一歩下げってボールを壁に当てます。踏み込みの動作を加えることで全身の連動が必要になります。
また、鉄棒にチューブを巻き付けて、利き腕でチューブの先端を持ち、やりを持っているイメージで上半身を正面に向ける動作を行います。
②体幹のトレーニング
軽い砲丸を右手で持ち、振りかぶって勢いをつけたところから、左足を踏み込んで高い位置から投げます。
次に、左手にも同じ重さの砲丸を持ち、同じ動作を行います。
また、利き手でやりのグリップを握り、逆の手で先端のあたりを持ち、フォームの最終局面の踏み込みからやりを後ろに引いた姿勢をとり、そこから縦にスイングします。
最後に、やりを持って立ち、正面にボックスを置いて、半身の姿勢から左足踏み切りで飛び乗り、右足で着地することでクロスステップの感覚を養います。
片足ジャンプを左右ミックスして行います。