公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会(東京2020組織委員会)は、東京2020大会で使用するメダルについて、みなさまがお持ちの使用済み携帯電話等の小型家電から製作する「都市鉱山からつくる!みんなのメダルプロジェクト」を進めていますが、環境省の推測では、「銀」が不足しているとのことです。
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— 日刊Sumai (@sumaiweb) September 16, 2018
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金・銀・銅合計約5,000個のメダルの製作が目標
「都市鉱山からつくる!みんなのメダルプロジェクト」とは、携帯電話やパソコン等 小型家電を全国各地で回収し、そこからリサイクルされた貴金属で、オリンピック・パラリンピックを合わせて、金・銀・銅合計約5,000個のメダルを製作する計画です。
その他、このプロジェクトのねらいには、社会に資源の有効活用をより重視し、さらに持続可能な社会へ進むよう促すものです。
ロンドン大会やリオデジャネイロ大会ではメダルの材料の一部にリサイクル金属を利用した例はありました。
しかし、今回のように、国民が参画し、メダル製作を目的に小型家電の回収を行い、集まったものから抽出された金属でメダルの製作を行うプロジェクトは、オリンピック・パラリンピック史上、東京2020大会が初めてとなるそうです。
500万台の携帯電話が必要
東京2020組織委員会では、持続可能な社会を実現、レガシーを残すことにつなげるため、プロジェクト参加事業者である株式会社NTTドコモ、一般財団法人日本環境衛生センター、環境省、東京都と一緒に、積極的に推進しています。
「2020都市鉱山メダルの会」はリサイクル事業者や市民団体で構成され、組織委員会などと連携して、使わなくなった携帯電話やスマートフォン、パソコンなどから金、銀、銅を取り出してメダルの材料にする取り組みを推進しています。
東京オリンピック・パラリンピックのすべてのメダルを作り出すには、最低でも500万台の携帯電話が必要とされています。
このため、携帯電話などの回収への協力を一般市民に求めるとともに、リサイクル活動を国民全体に浸透させたいとしています。
ドコモは、「都市鉱山からつくる!みんなのメダルプロジェクト」に参加しています。使用済み携帯電話などから回収したリサイクル金属で東京2020大会のメダルを製作する取組みです。
このプロジェクトへ届いた錦織圭選手( @keinishikori )からの応援メッセージはこちら⇒https://t.co/QIrslczxND pic.twitter.com/PlOTykZQU4— NTTドコモ (@docomo) August 17, 2018
自治体や郵便局、ドコモショップなど全国約1万2400カ所に回収ボックスを設置し、役目を終えた携帯電話やデジタルカメラ、パソコンなど小型家電の回収を呼びかけてきました。
「銀は不足している」
携帯電話などの回収は進んではいるものの、現時点では、この東京五輪・パラリンピックのメダル製造にリサイクル原料を活用するプロジェクトが、窮地に立たされています。
現在のペースでは、必要とする金属が確保できない状況で、東京・霞が関の中央省庁は機運醸成の一環として使用済み小型家電の回収ボックスをリレー方式で巡回させる取り組みを始めています。
また、内閣府で行われた開始式では鈴木俊一五輪相が使い古した携帯電話4個を投函(とうかん)し、「必要量の確保には課題がある。
より一層の機運醸成が必要」とさらなる協力を訴えました。
今年3月の時点では、ドコモショップで約330万台、自治体で約1万4636トンの携帯電話や小型家電が回収されました。
ただし、携帯電話1台から回収される金属は金0.05グラム、銀0.26グラム、銅12.60グラムとごくわずかなのです。
また、1台のノートパソコンでも、金約0.3グラム、銀約0.84グラム、銅約81.6グラムしか含まれません。
5千個のメダルを作るには金42キロ、銀5300キロ、銅3000キロが必要とされており、現在順調に回収できているのは「銅」のみということだそうです。
回収は来年3月ごろを期限としており、今後は家電量販店にもボックスの設置を依頼して、さらに国民の参画を呼びかけていく必要がでてきました。
これまでに全国約3000の郵便局やNTTドコモの店舗などで回収を進めてきましたが、6月までに回収した携帯電話や家電などの量から推定すると「銀は不足している」(環境省)という状況となっています。
銀の必要量が金や銅より多いのは、金メダルは銀の表面に金をメッキして作るためだということがあります。
また、携帯や家電に含まれる銀も少なく、必要量の確保は難しいという事情があります。
銅は回収開始からの1年で必要量の半分が集まったものの、銀は銅の倍近くが必要で、現状のままでは足りなくなる見通しとなってしまいます。
地方自治体と小学校から大学までに回収ボックスを設置
9月から、五輪参加国のキャンプ地や文化交流事業を務める「ホストタウン」になる全国約230の自治体に協力を求めています。
携帯やパソコンなどを回収する専用ボックスを、公立の小中学校を中心に設置する計画の実行が始まりました。
盛岡市、回収を開始 東京五輪メダルプロジェクト ホストタウンで初 (岩手日日新聞) 2020年の東京五輪・パラリンピックのメダルにリサイクル金属を使う「都市鉱山 #ニュース #NEWS速報JAPAN https://t.co/DP0osMYwdd
— NEWS速報JAPAN (@NEWS_JAPAN_S) September 13, 2018
このような運動で、自治体の協力を通じて、五輪・パラリンピックに向けて地方都市を盛り上げる効果も期待しています。
また、小中学校に回収ボックスを設置して子どもから親世代まで関心を持ってもらい、大会への参加機運を高めるのもねらいです。
さらに、五輪大会組織委員会は、窓口を全国の大学にも拡大し、回収ペースを加速させる予定です。
日本の「都市鉱山」は世界有数の規模
「都市鉱山からつくる!みんなのメダルプロジェクト」が頼りにしている日本の都市鉱山の埋蔵量は、実は世界有数の貴金属の蔵量を保持しています。
独立行政法人物質・材料研究機構が2008年1月11日に発表した調査結果によりますと、日本の都市鉱山に存在する金の総量は6,800トンで、これは全世界の現有埋蔵量の約16%にあたる数字だそうです。
また、銀の埋蔵量は60,000トンで、これは世界の埋蔵量の22%に相当する量と推測されます。
世界で叫ばれているサステイナビリティ(持続可能な社会)の観点からも、当然新たに貴金属を地球から掘り出すのではなく、この莫大な都市鉱山から材料を「掘り出し」て、メダルを製作するのは当然だと思われます。
田中貴金属さんオリンピックの金メダル5,000個用の金を全量提供するのですね。
100年以上前からリサイクル事業をされていたのも驚きです。
ニッポンの資源 現場を歩く(4)
都市鉱山 田中貴金属(神奈川県):日本経済新聞 https://t.co/fhacpsn6vx— Jewelry Concierge (@JewelConcierge) September 7, 2018
メダルの原材料の小型家電の具体例をリストアップ
電卓 ゲーム機(据置型・携帯型) 携帯電話・スマートフォン ラジオ パソコン デジタルカメラ USBメモリ ドライヤー 電気アイロン 電子辞書 タブレット プリンター 電話機・FAX オーディオプレーヤー/レコーダー スピーカー カーナビ 炊飯器 ジューサー・ミキサー コーヒーメーカー ホットプレート 加湿器・除湿機・空気清浄機 電動歯ブラシ 電気カミソリ 家庭用ミシン 各種ケーブル類 リモコン 時計 電子書籍端末 など
上記以外でも、メダルに生まれ変わる小型家電はたくさんあります。
⚡️ 東京五輪・パラの「都市鉱山」メダルに使う廃家電の回収強化。
溺れたとき「浮いて待つ」、水没した車で「ガラスを割る」方法。
QRコード決済普及へ補助金や税優遇。
この1週間、ツイッターで読まれた日経記事です。https://t.co/d8ftg51nnQ— 日本経済新聞 電子版 (@nikkei) August 24, 2018
以上の電気機器の回収方法、回収ボックスの設置場所や回収の宅配申し込み方法等は下記の公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会 - 「都市鉱山からつくる!みんなのメダルプロジェクト」のプロジェクト参加方法のサイトで、最新情報を確認して下さい。
https://tokyo2020.org/jp/games/medals/project/participate/
是非、皆で使われなくなった家電製品を探してメダルに変えましょう。